ディズニーで働くキャストから考える教師の行動指針

ディズニーで働くキャストには、「SCSE」と呼ばれる行動指針がある。これは、9割がアルバイトであるにもかかわらず、全てのキャストが、高いホスピタリティを提供できる理由の1つとなっている。経験の長さとは関係なく同品質の対応が求められるという点では、教師に似ているところがあるのではないだろうか。そこで、本記事では、キャストの行動指針「SCSE」から、教師の行動指針について考えてみたい。

「キャスト」の行動指針ーSCSE

まず、「SCSE」について簡単に説明する。「SCSE」は4つの英単語の頭文字をとったもので、その並びが優先順位にもなっている。それぞれ何を示しているのかについては、以下をご覧頂きたい。

・S : Safety 「安全性」
・C : Courtesy 「礼儀正しさ」
・S : Show 「ショー」
・E : Efficiency 「効率」

これらそれぞれの意味について、ディズニーで働くキャストの視点と、教師の視点からもう少し詳しく見てみる。

S – Safety「安全性」

「SCSE」の中でも最も大切なのが「安全性」(Safety)である。安全な状態が確保されているからこそ、ゲスト(お客さん)は楽しむことができるとしている。そのため、ディズニーでは安全な環境を整えるために、作業手順や整理整頓といった基本的な遵守事項も徹底している。

学校における教師も、まず、子どもの「安全性」を確保しなくてはならないことは言うまでもない。子どもたちの健やかな学びも、安全と安心が確保されてはじめて行うことができるだろう。

C – Courtesy 「礼儀正しさ」

Coutesy「礼儀正しさ」は、ゲストに対する接し方のことである。ディズニーでは、“すべてのゲストがVIPである”との理念に基づき、言葉づかいや対応を丁寧にすることはもちろん、相手の立場にたった、親しみやすく、心をこめたおもてなしを心がけている

教師は子どもにとって、言葉遣いなど見本となる存在であるべきだろう。その上で、子どもを1人の人間として、丁寧に接し、話しを聴くことで、認めていく態度が大切であると考える。おもてなしとして教育を行うわけではないが、相手のことを思いやるという点では参考にできるのではないだろうか。

S – Show 「ショー」

3つ目にして、やっと「ショー」が大切とされている。ディズニーの世界観をつくっているのは建物やアトラクションだけではない。キャストも構成されたテーマパークの一部であるとしている。従業員をスタッフではなく、キャストと呼ぶのは、ショーの中でそれぞれの役を演じることを求められているからだ。コスチュームを来て、ネームタグをつけている以上は、ゲストが求める最高の演技をして、ショーを盛り上げる。そして、毎日の繰り返しで惰性となってしまわぬよう、ショーは毎回初演だと思って演じるのである。

教師においては、授業が「ショー」にあたるだろう。毎日の授業は、慣れも大切だが、はじめのころにあった向上心は忘れないようにしたい。また、授業は「生き物」と言われることがあるが、日々刻々と変わる子どもを相手にする授業は、毎回新しいといっても過言ではないのではないか。常に質の高い学びを子どもたちに届けるために、教材研究や授業改善に努めたい

E – Efficiency 「効率性」

商売としては大切であろう効率性は、行動指針には入っているものの、他のものに比べ優先順位は低い。効率性を高める理由も、商業的な理由より、ゲストをなるべく待たせたくないとの思いからきているというから驚きである。

「効率性」という観点から言えば、教師は多忙であると言われるが、時間の使い方を振り返ることは有効な手段の1つだろう。ただし、ディズニー同様、「効率性」を最優先させてしまうと、途端に学びの質は落ちてしまうだろうし、その影響をうけるのは子どもたちであることを忘れたくない。

感想

子どもや保護者にしてみると、教師歴1年目でも、数十年目のベテランでも、同じ「先生」である。そのため、初任の教師にも、ベテランと同じ判断が求められる。ただでさえ、日々の判断に教師は悩むと思うが、特に初任の先生は、何を基準に行動、決断すればよいのか悩むのではないだろうか。
「ディズニー」と「学校」とでは、関連性がないように思われるかもしれないが、本記事が教師の行動指針を考えるきっかけとなって頂けたら幸いだ。

参考書籍

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