ディズニーから学ぶー子どもを惹き付ける授業の導入

子どもだけでなく、大人も夢中になって遊べるのがディズニーリゾート。実は、これまでの遊園地とは大きく異なる特徴をもっているのだが、ご存知だろうか?その特徴というのは、ディズニーリゾートが「テーマパーク」であるということだ。遊びに行ったことのある方は、ご存知だと思うが、それぞれの「テーマパーク」には名前がついていて、各時代や文化を体験できるようになっている。

最近では、「テーマパーク」という言葉も定着しつつあるが、実はディズニーランドが誕生するまで、この言葉や概念は存在していなかった。ここに、誰もがディズニーリゾートに惹き付けられる秘密があるのではないだろうか。本記事では、テーマパークの中でも大切な、ストーリーにいかに入り込んでいくのかを振り返り、授業の導入に生かせることがないか考えてみたい。

徹底的に世界観、ストーリーを導入する

ディズニーリゾートに行くと、様々な世界を楽しむことができる。西部開拓時代のアメリカや、うっそうとしたジャングル、神秘的な宇宙など実に多様だ。こうした世界にゲストが浸れるように、パーク内からは、外の現実世界が見えないようになっていたり、スピーカーが景観と一体化していたり、現実世界と切り離す様々な工夫がなされている。その上で、ストーリーに入り込めるようにしている工夫を、今回は2つの観点に絞ってみた。

・待ち時間も世界に引き込む時間にする
・「何かが起きる予感」を感じさせる

待ち時間も世界に引き込む時間にする

ディズニーリゾートで悩ましいのは、アトラクションなどの待ち時間だろう。2時間待ちも、当たり前である。しかし、ラーメン屋さんの前で2時間待つのと、ディズニーで2時間待つのとでは、少し事情が異なる。後者のほうが、短く感じないだろうか。

その理由の1つに、並んでいる間もその世界観やストーリーを楽しむことができるということがある。例えば、ストーリーに合った音楽が流れていたり、ストーリーを象徴するようなものが置かれていたり、ストーリーの背景が説明されていたりする。気づいたら、そのストーリーに入り込んでいる。こうして2時間待ったゲストは、気持ちを高ぶらせたまま、その世界にどっぷり浸かって、アトラクションを楽しむことができるのである。

このような「待ち時間」にあたるのは、常に時間に追われている学校では、存在しないのかもしれない。それであれば、授業の開始前後を「待ち時間」にするのが有効ではないだろうか。例えば、開始2分前から、その授業のテーマにあった音楽をかけ始めるのはどうか。少し小さめの音にすることで、子どもたちの興味関心を引けると同時に、授業が静かな状態で始めやすくなることが予想される。そうした点では、これまでにも行われてきた環境を整えることに似ているかもしれない。学ぶ準備をするのである。

「何かが起きる予感」を感じさせる

全てのアトラクションを体験する前に、必ず感じるのが「何かが起きる予感」だ。例えば、ディズニーシーのアトラクション「ストームライダー」では、これから乗るアトラクションについてのストーリーが簡単に説明される。そして最後には、キャストがわざわざ「絶対安全です」と強調する。そこまで強調されると、ゲストとしてはどこか疑わずにはいられない。「何かが起きる予感」がするのである。これが、ワクワク感につながっているのだと思う。

一方で、何かが起きるというのは、ゲストにとって「お決まり感」がある。つまり、物語は、何かしら事件や出来事があるから物語になるのだから、何かが起きるということは、すでにわかりきっているのである。しかし、ゲストがこの「お決まり感」を退屈に思うことはないだろう。むしろ、しっかりとストーリーにのれているからこそ、この「お決まり感」が、ほどよくゲストの心構えとなる。これが、これから起きる「何か」を心地よく楽しく感じる理由であると思う。

伏線とも言えるこの「何かが起きる予感」だが、授業でもこうした演出は効果があると考えている。ただ、毎回の授業で、ディズニーほどこだわることは、授業の本質とはズレるとも思われるし、時間の面からも、労力の面からも現実的ではない。ただ、例えば、各単元の導入として、この「何かが起きる予感」を子どもに感じてもらえたら、子どもたちがより主体的に学ぼうとするのではないだろうか。

授業のなかで取り入れるとすると、実物提示は「何かが起きる予感」を漂わせやすい。ただし、はじめから、実物がすべて見えてしまうと、「何かが起きる予感」というのは薄れてしまうだろう。だから、最初は隠してみたらどうだろうか。例えば、新しい単元に入ったときに、提示する予定の実物にカバーをかけてもっていく。子どもたちは、「きっと授業で使うのかな?」くらいに思うだろう。そこであえて、授業開始で説明するのではなく、子どもたちの目に見えるところに置いておく。そして、「何か」が少しずつわかるようにさり気なく、誘導していく。みんながわかった状態で、「いよいよ」というように、カバーをとるわけだ。このように、「何かが起きる予感」を醸成していく工夫を、授業の内容に合わせて考えていくといいかもしれない。

感想

今回は授業の導入という視点で、ディズニーを見てみた。実際にディズニーリゾートへ行ってみないと実感できないところもあるかもしれないが、ディズニーには魅せる秘密が多くあると思う。ここで忘れたくないのは、ディズニーでも学校でも、こうした導入は、あくまで本題を受け入れるための準備である、ということだ。ディズニーであれば、面白いアトラクションがあるからできることであり、授業であれば、より本質的な学びがあるからこそ、導入が活きてくるのだと思う。

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